院長ブログ
フィラリア予防の常識が変わりました|夏だけから通年へ
昔は「夏だけ予防」が当たり前だった
以前の日本では、蚊の発生時期が比較的はっきりしていたため、
「蚊の多い夏の期間だけ予防すれば十分」という考え方が一般的でした。
そのため現在でも、多くの飼い主様が
「フィラリア予防=夏だけ」というイメージを持っています。
しかし今、その前提が変わっています
1)日本の気候そのものが変化している
気象庁の長期データでは、日本の年平均気温は長期的に上昇傾向にあります。
気温の上昇は、蚊が活動できる期間の長期化につながりやすく、
かつてのように「夏だけを予防期間とする」考え方が合いにくくなっています。
2)蚊の活動期間を正確に予測しにくくなった
蚊の発生時期や活動期間は、その年の気温や地域環境によって大きく変動します。
そのため「今年はいつまで大丈夫か」を正確に判断することが、以前より難しくなっています。
3)予防の国際的な基準がアップデートされた
現在、フィラリア予防の世界的な指針は大きく変わっています。
アメリカ心臓糸状虫学会(AHS)やコンパニオンアニマル寄生虫協議会(CAPC)などの専門機関では、
犬・猫ともに「フィラリア予防は通年で行うこと」を明確に推奨しています。
これは単なる考え方の違いではなく、
環境変化やリスク管理を踏まえた現在の標準的な予防方針です。
フィラリア症は「予防がすべて」の病気
フィラリア症は、蚊を介して感染し、心臓や肺の血管に深刻なダメージを与える病気です。
感染後の治療は犬や猫の体に大きな負担がかかり、場合によっては命に関わります。
そのためフィラリア対策で最も重要なのは、
「かかってから治すこと」ではなく
「確実に感染させないこと」です。
いまの時代に合った予防は「通年予防」
昔の日本では成り立っていた「夏だけ予防」という考え方は、
現在の気候や環境では必ずしも十分とは言えなくなりました。
そのため、最新のガイドラインと環境変化を踏まえると、
最も安全で確実な方法は「一年を通じたフィラリア予防」です。
まとめ
- 昔:夏の間だけの予防で十分と考えられていた
- 今:気候や環境が変化し、通年予防が推奨される時代
- 国際的な専門機関も通年予防を公式に推奨している
- フィラリア症は「治療」よりも「確実な予防」が最重要
フィラリア予防の考え方は、確実にアップデートされています。
大切なご家族である犬・猫を守るために、
ぜひ今の時代に合った予防をご検討ください。
参考・出典(信頼できる情報源)
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American Heartworm Society (AHS) ガイドライン
https://www.heartwormsociety.org/veterinary-resources/american-heartworm-society-guidelines
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Companion Animal Parasite Council (CAPC) ガイドライン
https://capcvet.org/guidelines/heartworm/
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気象庁:日本の年平均気温の変化
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html
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AHS 猫のフィラリア予防ガイドライン
https://www.heartwormsociety.org/images/pdf/2020_AHS_Feline_Guidelines.pdf
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の動物の健康状態に対する診断・治療の代替となるものではありません。