こんにちは、獣医の松井です。
今日ご紹介する疾患は、胆嚢粘液嚢腫です。
これは胆嚢の病気です。
胆嚢は、肝臓から胆汁という消化酵素を作って貯めておく袋状の構造をしています。胆汁は胆管という専用の管を通って、十二指腸へ繋がっています。
この病気は胆嚢壁が過形成をおこして分厚くなり、粘液の過剰分泌が生じます。ムチンを含むゼラチン様粘液がだんだんと蓄積していき、胆嚢や胆管に様々な弊害が出てきます。胆嚢や胆管の炎症や壊死、閉塞性黄疸に陥ることがあり、こうなってくると、食欲低下や嘔吐などの症状がでてきます。
下の写真は、つい最近この疾患で、胆嚢摘出の手術をした患者さんの写真です。


胆嚢がパンパンに拡張し、胆嚢管から十二指腸へと繋がる総胆管まで、かなり拡張していました。
このような胆嚢になってしまうと、胆嚢の機能をなさず、破裂の危険性がありますので摘出します。胆嚢は肝臓と接しているため大変出血しやすく、繊細で慎重な手術となります。
また、この病気は膵炎、腹膜炎といった合併症があると周術期死亡率(手術中だけでなく、手術前後を含めた一連の期間における死亡率)が上がり、大変危険です。
この患者さんは合併症もなく、術後の経過は良好、数日の入院で無事に退院となりました。
胆嚢粘液嚢腫はかなり進行して悪くならないと症状が出ない為、健康診断での血液検査や画像検査が病気の発見と予防につながります。
この病気にかかわらず、年1~2回の健康診断はとても大切です(*・ω・)ノ