「最近、愛犬や愛猫が太ってきた気がする」「ぽっちゃりしていて可愛いけれど、このままで大丈夫?」と感じたことはありませんか?犬や猫の肥満は見た目だけの問題ではなく、関節疾患や糖尿病、心臓病などさまざまな病気のリスクを高めます。しかし、毎日の食事管理や適度な運動によって予防・改善できる病気でもあります。今回は、犬猫の肥満の原因や健康への影響、今日から始められる対策について獣医師がわかりやすく解説します。
犬猫の肥満とは?
肥満とは、体に必要以上の脂肪が蓄積した状態を指します。単純に体重が重いだけでは肥満とは限らず、筋肉量や骨格によって適正体重は異なります。
🖼 画像挿入:BCS(ボディコンディションスコア)のイラスト(altテキスト例「犬と猫のBCS評価」)
動物病院では体重だけでなく、BCS(ボディコンディションスコア)を用いて体型を評価します。
- 肋骨が触れるか
- 腰のくびれがあるか
- お腹の引き締まりがあるか
一般的には適正体重より15〜20%以上重い場合は肥満と判断されることが多いですが、犬種や猫種によって異なるため、実際にはBCSで評価することが重要です。

長毛種では被毛に隠れて体型がわかりにくいため、月に1回程度の体重測定を習慣にしましょう。
犬猫が肥満になる主な原因
1.食べ過ぎ・おやつの与え過ぎ
肥満の最大の原因は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることです。フードが適量でも、おやつや人の食べ物を頻繁に与えていると、必要以上のカロリーを摂取してしまいます。
おやつは1日の総摂取カロリーの10%以内を目安にしましょう。
2.運動不足
犬では散歩不足、猫では室内飼育による運動不足が肥満につながります。特に猫は遊ぶ時間が少ないと消費エネルギーが減り、脂肪が蓄積しやすくなります。
3.避妊・去勢手術
避妊・去勢手術後は基礎代謝がやや低下し、食欲が増すことがあります。そのため、手術前と同じ食事量では体重が増えやすくなります。
4.加齢
年齢とともに筋肉量や活動量が減少し、基礎代謝も低下します。シニア期には年齢に合ったフードへの切り替えや定期的な体重チェックが大切です。
5.病気が隠れていることも
食事量が変わらないのに急激に体重が増えた場合は、犬では甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの病気が隠れている可能性があります。猫では関節炎などによる運動量低下が原因となることがあります。
犬と猫で異なる肥満のリスク
| 項目 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| なりやすい病気 | 関節疾患・心疾患・熱中症 | 糖尿病・尿路疾患・脂肪肝 |
| 運動 | 散歩や遊びが重要 | 室内遊びや上下運動が重要 |
| 特徴 | 関節への負担が大きい | 毛づくろいができなくなる |
犬で特に注意したいこと
- 変形性関節症や前十字靱帯断裂、椎間板ヘルニア
- 息切れや熱中症のリスク増加
- 糖尿病や高血圧など生活習慣病
- 麻酔や手術時のリスク増加
猫で特に注意したいこと
- 糖尿病
- 関節炎による運動能力の低下
- 毛づくろいができず皮膚炎を起こす
- 尿石症や膀胱炎などの尿路疾患

肥満を予防・改善するために
- フードは毎回計量する
- おやつは与え過ぎない
- 毎日適度な運動を続ける
- 月に1回は体重を測定する
- ダイエットは獣医師と相談して進める

特に猫では急激な食事制限によって脂肪肝(肝リピドーシス)を起こす危険があります。自己判断で極端なダイエットは行わないようにしましょう。
こんな症状があればご相談ください
- 急に体重が増えた
- 散歩や遊びを嫌がるようになった
- 息切れしやすい
- 高い場所に登らなくなった
- 水を飲む量や尿の量が増えた
- 毛づくろいができなくなった
- ダイエットをしても体重が減らない
よくある質問
犬や猫は何kgから肥満ですか?
犬種や猫種によって適正体重が異なるため、一律の体重では判断できません。BCS(ボディコンディションスコア)を用いた評価が重要です。
ダイエットフードに変えれば痩せますか?
フードを変更するだけでは十分ではありません。食事量やおやつ、運動量も含めて見直すことが大切です。
おやつは絶対に与えてはいけませんか?
適量であれば問題ありません。1日の総摂取カロリーの10%以内を目安に与えましょう。
この記事のまとめ
- 犬猫の肥満は多くの病気のリスクを高めます。
- 食事管理・運動・定期的な体重測定が予防の基本です。
- 無理なダイエットは避け、気になる場合は動物病院へ相談しましょう。
