こんにちは、獣医の松井です。
先日、日本緩和医療学会の緩和ケア基礎セミナーを受講してきました。
これは人の緩和ケアに関するセミナーですが、獣医療ではその情報が乏しいため、有意義な情報を求めて、今回参加してきました。
獣医師は患者が実際にどのくらい痛みを感じているのか、苦しいのかについて、そのサインに気が付き、また予想することが大変重要となります。犬や猫は“痛み”の程度を自ら申告できないためです。ただやはりその評価が難しく、現状としては、生理的反応(心拍数や血圧)や観察者による患者の行動変化によって解釈します。
人においては疾患別の苦痛の出現率というデータがあり、緩和ケアを行う上での参考ベースにしているそうです。
ガン末期などは疼痛をイメージしやすいですが、心疾患で41~77%、腎不全でも約半数の患者さんが痛みを感じているとの調査結果です。また全身倦怠感や息苦しさなどを始め、様々な症状を多くの患者さんが感じていることがわかります。

Solano Jp et al,2006:31(1)58-69
痛みに対してはNSAIDsといわれる非ステロイドやモルヒネやフェンタニルなどのオピオイドが使用されます。それぞれ作用機序が異なりますので、痛みに合わせて組み合わせて使用します。
オピオイドは麻薬の部類ですので、製薬会社さんからの入手や取り扱いは、このご時世、昔より更にシビアになりました。
でも当院では多くの選択肢が提示できるように、色んな鎮痛剤を取り扱っています。
最期まで、生活の質を保ちながらその子らしい生活を目指してサポートしていきます。
最後にセミナーを通して感じたこと、それは ”人のチーム医療の質の高さ” です。
人の医療は医師や看護師以外にも、がん専門看護師さんや
がん治療専門薬剤師さんなど、プロフェッショナルがそれぞれ異なる立場から問題をアプローチすることで患者を支る仕組みがあり、すばらしいなと思いました。(๑˃̵ᴗ˂̵)
最近獣医療においても、日本獣医がん学会が定める腫瘍科認定愛玩動物看護師なるものが発足し、この夏から認定教育プログラムが始まります。いわゆる、犬猫のがん専門看護師です!
先日参加した獣医がん学会でもホットな話題でしたので、そちらの模様も今度お伝えできればと思います⭐︎