院長ブログ

発生ゼロでも必要?狂犬病ワクチンについて

わんちゃんを飼育していると毎年届く狂犬病予防接種のハガキ…

日本にはもう何十年と発生がないにも関わらず、なぜ毎年接種が必要なのか?改めて知っておきましょう。

そもそも狂犬病ってどんな病気なの?

ウイルスによっておこる感染症で、世界では年間何万人が死亡する人獣共通感染症です。

ほとんど全ての哺乳動物から感染するリスクがあります。

発症するとほぼ100%の致死率でとても恐ろしい感染症です!!

どうやって感染するの?

ウイルスは感染動物の唾液に含まれているので、感染動物に咬まれたり、傷口や粘膜を舐められたりすることで感染します。

基本的にヒトからヒトへの感染はない。

どんな症状が出るの?

ヒトの症状として、初期は発熱や倦怠感・頭痛・嘔吐などの一般的な風邪の症状で、

その後ゆっくりとウイルスは脳へ向かうので一般的に発症までに1~3か月程度の期間を要します。

発症後はものを飲み込みにくくなり、液体を飲もうとすると筋肉が痙攣するため、水を恐れる恐水症になります。また、風を恐れる恐風症状も特徴的です。

やがて昏睡状態になり、呼吸が麻痺し亡くなります。

イヌの症状として、初期は性格の変化や行動異常がみられます。興奮状態になり、徘徊を続けたり目に入るものに咬みつく、光や音への過敏反応がみられる。

発症までに2週間~2か月程度といわれ、全身麻痺になり歩行不能、嚥下困難・流延をおこし昏睡状態になり亡くなります。

検査や治療法は?

残念ながら潜伏期間に感染を特定する検査法はなく、症状が発現した際の明確な治療法もありません…

日本ではもう何十年も発生してないと聞いているが…?

日本国内自然発生は1950年代に最後に確認され、それ以降の自然発生はありません。

1950年以前は多くの犬が狂犬病と診断され、そして多くのヒトも狂犬病に感染し亡くなっています。そして狂犬病予防法が施行され、犬の登録・予防注射などが徹底され短期間のうちに狂犬病を国内から撲滅するに至りました。

ここから、犬の登録・予防注射が狂犬病予防に対して重要な役割を果たすかが理解できます。

自然発生はもう長らくありませんが、日本・英国・オーストラリアなど一部の国や地域を除くほぼ世界中で今もなお毎年発生し、多くの命が亡くなっています。

2006年と2020年には、フィリピンで犬に咬まれたのち日本へ帰国・入国後に発症し亡くなられた方が居ます。

そう、日本国内での発生はなくても

海の向こうのすぐ近くの国々では狂犬病が発生し、世界中では年間何万人が亡くなっているのです!!

何十年も日本で発生していないのは、徹底した対策により侵入を抑えているからです!!

今ある安心は先人の飼い主さんたちが毎年の接種を行ってきてくれたおかげなのです。

ワクチンは毎年打たないといけないものなの?

犬の狂犬病ワクチンは不活化ワクチンなので、体内でウイルスが増殖しないため安全ですが、免疫の持続期間が短く時間が経過すると抗体が低下し未接種の状態に戻ってしまいます。過去に打ったから大丈夫、ではないのです💦

そのため、年に1回の追加接種が法律で義務付けられています。

ワクチン接種が必要な本当の理由

狂犬病のワクチン接種には2つの役割があります

1.犬自身を守る

ワクチン接種をし免疫をつけておくことで、万が一狂犬病に感染しても発症を防げる

2.ヒト・社会を守る

世界の狂犬病患者の9割以上が犬からの感染といわれています。

犬の感染を防ぐことで、ヒトや他の動物への感染拡大を防ぎます。もし万が一日本にウイルスが入ってきても、しっかりワクチン接種をして免疫をもった犬が多ければ蔓延を食い止め、日本にウイルスが定着するのを防ぐことができます。

日本にはないから大丈夫…それが最大の脅威となる

日本にはもうない病気だから大丈夫…なんて思わないでください!!

しっかり予防接種などで対策をおこなってきた結果、今があるのです。

うちの子も、ご自身も、そしてまわりの大切な方々も、日本中もこの先も安心して暮らしていけるように…年に1回の狂犬病ワクチンで予防していきましょう。

混合ワクチンに比べて副反応が出にくいといわれてはいますが、

今まで接種した後に副反応が出たことのある子はご相談ください。

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