腫瘍

猫の乳腺腫瘍🐈

こんにちは、獣医師の松井です。

前回に引き続き、今回は猫の乳がんを取り上げたいと思います。

病気で亡くなる猫さんの約1/3が「がん」と言われています。
その中でも一番多いのが乳がんです。
ちなみに猫の乳腺にできたしこりは約80%が悪性と言われています。

発生のリスクが高まるのは10〜12歳。中〜高齢で発生することが多いです。

万が一乳がんが見つかったとき、獣医師が治療を行う上で大事な観点が3つあります。

まず1つ目は、腫瘍のサイズです。

2cm以下で見つけることで、予後が大きく変わります。

腫瘍のサイズが2cmを超えると、生存期間が大幅に短くなることがわかっています。
サイズが3cmを超えると、肺など他の臓器への転移が頻繁に始まるため、生存期間もグッと短くなります。ここら辺は犬も同様ですね。
ただ、猫の場合はサイズが小さくても悪性度が高い腫瘍もたまに混ざっているため、小さいからといって油断はできません。しこりを見つけたらすぐ検査した方がが無難です。

2つ目はリンパ節への転移の有無です。これは見た目では分からないため、検査が必要です。
乳がんの初診時のリンパ節転移は20〜40%にものぼるとの報告があるくらい、転移のリスクが高いです。

そして3つ目は、グレードです。
切除したしこりを病理検査にまわして行います。1〜3のグレードに分かれていて、グレードが高い方が致死率が上がります。実際、グレード1は稀で、多くは2〜3です。
腫瘍ののサイズが小さくてもグレードが高いことがある為、ここも注意が必要です。 

治療はもちろん外科手術ですが、猫の乳腺はリンパ管で全部繋がっているため、基本的には全摘といって全て乳腺を切除することが望ましいです。

手術後にハイリスク群と判定された場合、化学療法を行うこともあります。
抗がん剤の効果は正確には不明なのが現状ですが、以下の様な研究報告もあります。

犬と同様に、乳がんはホルモンの影響を受けているため、6ヶ月齢までの避妊手術が乳がんの発生率を下げるということも分かっています。

避妊手術によってある程度発生を予防できることは大きな特徴ですが、
やはり早期発見、早期治療がいいのは犬も猫も人も同じですね(*・ω・)ノ

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