はじめに

「最近なんだか元気がない」
「動き回って落ち着きがない」
「よく食べているのに痩せてきた」
「なんか太ってきた」
「寒がる」
「暑がる」
「毛が薄くなってきた?」
高齢のワンちゃんやネコちゃんでは、このような変化が見られることがあります。
しかし、その変化は単なる老化ではなく、甲状腺の病気が原因かもしれません。
甲状腺は首のあたりにある小さな臓器ですが、体の代謝をコントロールする重要なホルモンを分泌しています。
このホルモンが不足したり、逆に過剰になったりすると、全身にさまざまな症状が現れます。
特に、
• 犬では「甲状腺機能低下症」
• 猫では「甲状腺機能亢進症」
がよく見られます。
今回は犬と猫の甲状腺疾患について、症状や診断方法、治療法をわかりやすく解説します。
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甲状腺とはどんな臓器?

画像内容:犬と猫の首にある甲状腺の位置図
画像の目的:甲状腺の場所を理解してもらう
甲状腺は首の気管の両側に存在する小さな臓器です。
ここから分泌される甲状腺ホルモンには、
• 体温を維持する
• 心臓の働きを調整する
• エネルギー代謝を促進する
• 活動性を維持する
といった重要な役割があります。
人で例えるなら、体のエンジンの回転数を調整するアクセルのような存在です。
そのためホルモン量が減れば体の動きは鈍くなり、逆に増えすぎると常にアクセル全開の状態になってしまいます。
甲状腺ホルモンは全身の代謝を支える重要なホルモンです。

★重要ポイント
犬と猫では起こりやすい甲状腺疾患が異なります。
• 犬 → 甲状腺機能低下症
• 猫 → 甲状腺機能亢進症
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🐶犬に多い「甲状腺機能低下症」

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌量が不足する病気です。
中高齢の犬でよく見られます。
ホルモンが不足すると体の代謝が低下し、全身の働きがゆっくりになります。

🐶主な症状
代表的な症状は次のようなものです。
• 体重が増える
• 元気がなくなる
• 動きが鈍くなる
• 寝ている時間が増える
• 寒がりになる
• 毛づやが悪くなる
• 脱毛する
• 皮膚トラブルが増える
• 心拍数が減る
飼い主さんからは、
「最近あまり遊ばなくなった」
「太ってきた」
「散歩を嫌がるようになった」
と相談されることが多くあります。
💡コツ
高齢だからと決めつけず、元気の低下や体重増加が見られたら検査を検討しましょう。
なぜ太るの?
甲状腺ホルモンはエネルギー消費を促進しています。
そのためホルモンが不足すると消費カロリーが減少します。
食事量が変わらなくても、
• 太りやすくなる
• 脂肪が付きやすくなる
という状態になります。
被毛への影響
甲状腺機能低下症では皮膚や被毛の異常もよく見られます。
• 毛が薄くなる
• 左右対称に脱毛する
• 毛づやがなくなる
• 皮膚が黒ずむ
などが代表的です。
そのため皮膚病として来院し、検査の結果で甲状腺疾患が見つかることも少なくありません。
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🐶犬の甲状腺機能低下症の診断

診断の中心となるのは血液検査です。
主に、
• T4
• Free T4
• TSH
などを測定します。
症状や身体検査の結果と合わせて総合的に判断します。
⚠注意点
他の病気でも甲状腺ホルモンが低く見える場合があります。
そのため数値だけではなく、症状との組み合わせが重要です。
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🐶犬の甲状腺機能低下症の治療


治療は不足したホルモンを補うことです。
主に、
• 甲状腺ホルモン剤の内服
を行います。
✓メリット
• 元気が戻る
• 活動性が改善する
• 被毛が改善する
• 体重管理がしやすくなる
多くの症例で治療反応は良好です。
定期的な血液検査を行いながら薬の量を調整します。
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🐱猫に多い「甲状腺機能亢進症」

猫では犬とは逆に、甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症がよく見られます。
特に高齢猫で非常に多い病気です。
ホルモンが増えすぎることで、体は常にフル回転の状態になります。

🐱主な症状
代表的な症状には、
• 体重が減る
• 食欲が増える
• 落ち着きがなくなる
• 大声で鳴く
• 活動量が増える
• 水をよく飲む
• 心拍数が増える
• 血圧が上がる
などがあります。
飼い主さんからは、
「すごく食べるのに痩せてきた」
「夜中に大声で鳴く」
「最近イライラしているように見える」
と相談されることがよくあります。
食欲があるのに痩せていく高齢猫では甲状腺機能亢進症を疑う必要があります。
なぜ痩せるの?
甲状腺ホルモンが過剰になると代謝が異常に高まります。
その結果、
• 食べても消費が追いつかない
• 筋肉量が減る
• 脂肪が減る
ため、どんどん体重が減少していきます。
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🐱猫の甲状腺機能亢進症の診断

診断には、
• 血液検査での甲状腺ホルモン測定
• 超音波検査による甲状腺の確認
などを行います。
また、
• 高血圧
• 心疾患
• 腎疾患
の有無も合わせて確認することが重要です。
⚠注意点
高齢猫では複数の病気が同時に存在することがあります。
そのため総合的な評価が必要になります。
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🐱猫の甲状腺機能亢進症の治療


治療の中心は内服薬です。
甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を使用します。
治療によって、
• 体重減少の改善
• 落ち着きの回復
• 心拍数の正常化
などが期待できます。
✓メリット
適切な治療を行うことで生活の質が大きく改善します。
ただし定期的な血液検査によるモニタリングが必要です。
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しかし症状の多くは、
甲状腺疾患は高齢になるほど発症率が高くなります。
• 老化
• 肥満
• 認知症
• 性格の変化
と勘違いされやすい特徴があります。
そのため発見が遅れることも少なくありません。
⚠注意点

以下のような変化が見られたら早めに動物病院へ相談しましょう。
• 食欲はあるのに痩せる
• 太りやすくなった
• 元気がなくなった
• 落ち着きがなくなった
• 毛づやが悪くなった
• よく鳴くようになった
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まとめ

甲状腺疾患は高齢の犬猫でよく見られるホルモン病です。
犬では甲状腺機能低下症が多く、
• 太る
• 元気がなくなる
• 寒がる
といった症状が見られます。
一方、猫では甲状腺機能亢進症が多く、
• 食べるのに痩せる
• 落ち着きがなくなる
• 心拍数が増える
といった症状が特徴です。
★重要ポイント
「歳のせいかな?」
と思う変化の中に、治療できる病気が隠れていることがあります。
高齢のワンちゃん・ネコちゃんの健康管理のためにも、定期健診と血液検査を活用し、早期発見・早期治療につなげていきましょう!